錬肉工房公演
『月光の遠近法・抄』
テクスト・高柳誠
フライヤー[表]  [裏]
構成演出・岡本章
出演上杉満代、友貞京子、岡本章
場所アミュゼ柏クリスタルホール(柏市柏6丁目2−22 Tel04-7164-4552)
日時平成18年11月12日(日)午後5時半開場、6時開始 (公演は約1時間)
チケット前売当日共通 全自由席 2500円
電話予約(受付中)JOBANアートラインプロジェクト柏実行委員会
(Tel) 04-7167-4455 (月〜金曜・10時〜5時受付)(Fax)04-7167-8868
直接販売(8月28日より)柏インフォメーションセンター (Tel)04-7168-8686
ネット予約(8月28日より) www.kashiwa-art.com
主催JOBANアートラインプロジェクト柏実行委員会 (Tel) 04-7167-4455
             
上杉満代
 (舞台「月光の遠近法より」)
宮内勝撮影
公演趣旨
  JOBANアートラインプロジェクト柏では、アミュゼかしわ企画の一つとして、昨年、 東京で初演され高い評価を受けた、錬肉工房による『月光の遠近法・抄』を公演します。
演出家である岡本章氏は、柏にアトリエを開いてから25年経ちます。1971年の劇団創 立以来、伝統と前衛、様々な現代アートの間を自由に行き来しながら、<声>と<身体性> を武器に新しい演劇表現の可能性を追求し、世界的に活躍してきました。
  実行委員会では、アートというものが、その作品のプロセスにおいて、いろんな人に出会い、 影響しあいながら、斬新で解放された表現を生み出してゆく可能性であるとして捉え、 そこに柏の街の活き活きとした未来をイメージしました。
  岡本氏と錬肉工房は柏を拠点としながらも、長年、国内外で活発に活動を展開し、大きな成果 をあげています。柏市は様々な意味において中心から一歩離れた外縁に広がる自由で不思議な 空間です。この街の感性を岡本氏と錬肉工房の協力を得、その舞台作品上演を通して、私たち も発信したいと考えます。
企画内容
   『月光の遠近法』は、2005年3月に東京、麻布die pratzeで上演され、昨年の演劇界の代表作の一つ として高い評価を受けた。今回の『月光の遠近法・抄』は、柏公演のために新たに岡本章が構成・演出に 手を入れ、その舞台のエッセンスを浮き彫りにしたニューバージョン作品である。
   この作品では、日本の現代詩、演劇、舞踏の第一線に活躍するアーテイストたちが結集し、新たな演劇言語、 身体表現の可能性の実現が目指されている。
   現代詩の第一線で活躍する、高見順賞、歴程賞受賞の詩人高柳誠の、月光と廃墟を巡る、死者の声に満ちた 魅惑的なテクスト。そして、岡本章の大胆でラデイカルな演出のもと、世界のダンスシーンで活躍する上杉満代、 現代演劇の先端での意欲的な活動で高い評価を得てきた友貞京子らが、強度と自在さのある<声>や身体表現 を武器に、刺激的なテキストの言葉に真正面から挑戦する。
   高柳誠のテクストは、月光と廃墟を巡る世阿弥の名作である夢幻能『融』の構造、世界を踏まえながら、その 舞台を日本の平安王朝からヨーロッパに転じ、ギリシャ悲劇『エレクトラ』の世界や、それを現代化した ヴィスコンテイの映画『熊座の淡き星影』、そして、ルードヴィヒ2世やマグダラのマリア、さらには9・11 以後のわれわれの現代の廃墟の記憶なども重層的に交錯する、挑発的なものとなっている。
   そのテクストの言葉や過去の忘却された死者たちの声に耳を傾け、格闘することで、月光に照らされた歴史の、 廃墟の堆積の中から、鮮やかに死者たちの声、視線、重層的な時間性が蘇り、さらには同時に、アクチュアリテイ を持った新しい演劇言語の可能性を切り拓く、充実した作業になればと目指されている。
岡本章 略歴
   1949年奈良生まれ。演出家、俳優。明治学院大学文学部芸術学科教授。早稲田大学第一文学部演劇科卒。 1971年の創立より、錬肉工房を主宰。能の故観世寿夫や舞踏家大野一雄とも交流があり、初期より 現代演劇の枠にとらわれない身体表現と演劇言語の可能性を積極的に追求。1974年の『須磨の女と もだちへ』、『アメリイの雨』の連作以来一貫して、古典から前衛の最先端まで視野に入れた舞台活動 を展開し、多様な現代アートとのコラボレーションの作業や、能を現代に生かす『現代能楽集』の連作 の試みなど、その独自の身体性、即興性を重視した演出は高い評価を得ている。
   1998年の新作能『紫上』、 現代能『無』、そして『ハムレットマシーン』の三連続公演は野心的な挑戦として、充実した成果をあげる。 近年の演出作品として、『カフカ』(2001年)、現代能『ベルナルダ・アルバの家』(2002年)、 『ゴドーを待ちながら』(2002年)、現代能『始皇帝』(2003年)、『月光の遠近法』、『女中たち』 (2005年)などがある。
   海外公演も、1998年のイタリアでのサンタルカンジェロ演劇祭、 2000年の韓国華城国際演劇祭の招待参加をはじめとして積極的に行っている。また、1998年ドイツ、 ミュンヘンでの国際シンポジウム「世界の中の日本演劇」、2006年トリアでの「能・国際シンポジウム」 にパネラーとして招かれ、発表を行う。編著『錬肉工房・ハムレットマシーン全記録』。
錬肉工房これまでの活動
   1971年、岡本章、開口綾子、長谷川功など、早大劇団「自由舞台」のメンバーを中心に結成される。 主宰者岡本章が結成以前から能の故観世寿夫と交流があったり、また舞踏家笠井叡の「天使館」の開館に参 加するなど、多様な活動と方法意識をもっていたこともあり、結成時から現代演劇の枠に狭くとらわれるこ となく、伝統と前衛を切り結ぶ活動を展開し、注目を集める。
   その後の活動の過程を三つの時期に大別すると、初期の代表作である、能と現代詩を素材に緊張感のある 身体表現を追求し、高い評価を得た1974年の『須磨の女ともだちへ』を中心とする第一期。そして19 81年に結成10周年を機に、千葉県柏市にアトリエを構え、言葉と身体の関係を捉え返し、演劇の極北の 作業として各界に衝撃を与えた『水の鏡』の第二期。さらに80年代末から、アトリエでじっくり作業をを 重ね、練り上げられた理念と方法論が、都心の能楽堂、劇場、海外などで見事に開花していったコラボレー ションの第三期に分けられる。
   1991年に上演された結成20周年記念公演『水の声』は、第三期の出発点となった重要な作品であり、 現代演劇、能、コンピューター音楽、音響彫刻と多様なジャンルの意欲的なコラボレーションの作業として 高い評価を得る。その後のアトリエでの「現代能楽集」の試み「連続コラボレーション」の活動の持続的な 成果を踏まえ、1998年には国立能楽堂の新作能『紫上』(主演・野村万蔵、浅見真州)、シアターコク ーンでの現代能『無』(主演・大野一雄、観世榮夫)、さらに世田谷パブリックシアターでの『ハムレット マシーン』 による三連続公演で、大きな話題と充実した成果をあげる。近年は2001年の結成30周年 記念公演『カフカ』をはじめ、現代能『ベルナルダ・アルバの家』(2002年)『ゴドーを待ちながら』 (2002年)、『ハムレットマシーン』(再演2003年)『月光の遠近法』、『女中たち』(2005年) など、意欲的な作品を持続的に発表している。また、海外公演も、1998年のイタリアでのサンカンタル ジェロ演劇祭、2000年の韓国水原市の、華城国際演劇祭の参加をはじめとして積極的に取り組み高い評 価を得ている。
    
高柳誠略歴
   1950年名古屋生まれ。詩人。
   玉川大学教授。同志社大学文学部卒。「アリスランド」(1980年)で 詩的出発をし、『卵宇宙/水晶宮/博物誌』(1982年)でH氏賞受賞、『都市の肖像』(1988年)で 高見順賞、詩画集三部作『月光の遠近法』『触感の解析学』『星間の採譜集』(1997年)で藤村記念歴 程賞を受賞。一貫して、現実とは異次元の幻想空間を言語で構築しようとする意志に貫かれ、その独自の、 言語の硬質性や無機質の情念、乾いた知性は高い評価を得ている。その他の詩集に『綾取り人』(1985年) 『アダムス兄弟商会カタログ第23集』(1989年)、『樹的世界』(1992年)、『塔』(1993年) 『イマージュへのオマージュ』(1996年)、『万象のメテオール』(1998年)、『夢々忘るる勿れ』 (2001年)、『半裸の幼児』(2004年)などがある。評論に『リーメンシュナイダー 中世最後の彫刻家』など。
出演者略歴
   
舞踏家 上杉満代
   幼少よりクラシックバレエを学び、谷桃子バレエ団退団後、1970円より舞踏家大野一雄氏に師事。 15年の貴重な時を共にする。1975年よりソロ活動を開始する。1988年より3年間渡仏。 カトリーヌ・デイべレスとベルナルド・モンテによるStudioDMのコンテンポラリーダンスに参加する。 ソロ活動のほか、演劇や日仏ダンサーとの共同作業での作品、公演多数。ヨーロッパやアメリカなど様々な地 に招聘され、世界のダンスシーンで活躍し、高い評価を得ている。2003年より”マダム・メランコリア” を舞踏秘儀として連続上演する。錬肉工房との共同作業は、『カフカ』『ベルナルダ・アルバの家』に続き3作目となる。
   
俳優 友貞京子
   岸田理生事務所+楽天団を経て、1984年「Solid Pink」(幾何学的撫子)設立、 主宰。『地球の花瓶』(大倉山記念館)、『空白の舞台』(アトリエ・フォンテ)など、音楽・美術・舞踊等との共 同作業を含め、空間と五感に響きあう身体表現と演劇の可能性を探り、高い評価を得る。1991年〜1999年 「ク・ナウカ」参加。『サロメ』『天守物語』など、国内外の舞台に多数参加。1999年より日本の生活文化に根 ざした茶室を選び、「わらし庵」を結ぶ。2002年錬肉工房公演『ベルナルダ・アルバの家』出演。2004年 『よばなし/沼夫人』(目白庭園赤鳥庵)で「わらし庵」<モノ・ヒト・コトバ展>はVol.10を迎えた。